アマゾンの高速化 都市部に倉庫を持つ(米と日の戦略)

●今回は珍しく時事ネタを。

米国SUPPLYCAIN DIVEの3月3日の記事によると、

“米国アマゾンは同日配送プログラムを「より速く」、消費者により近いミニフルフィルメントセンターを構築中。場所はフェニックス;フロリダ州オーランド。ダラス。従来のフルフィルメントセンターの約10分の1の規模で約100,000平方フィート(約3,000坪)”

そして、

“「最大300万のアイテム」が新しいサービスの対象。①深夜から午前8時までの間に注文した場合は午後6時までの配達。②午前8時から午後1時まで注文した場合午後10時までの配達。③午後1時から午後5時午後5時までに注文した場合、午前8時までに配達。”

今後も顧客に近い拠点にミニフルフィルメントセンター(以降 “FC”)を構えていく戦略のようである。サービス内容としては日本のPrime Nowには及ばないものの、国土の広いアメリカとしては、かなり便利なサービスである。

一方、日本のアマゾンは?

●ご存じの通り、日本ではPrime Nowを展開しているが、かつて関東では東京(都内23区および調布市や三鷹市など12市)のほか、神奈川・川崎市の6区、千葉・浦安市と市川市のサービスを実施。ところが、2019年10月31日をもってエリアを縮小。11月1日からは都内10区(板橋・中野・北・豊島・文京・荒川・足立・新宿・練馬・杉並)の一部エリアのみの展開となっている。

この背景には採算ベース乗らないエリアをカットしたり、または協業しているライフコーポレーションとの関係性も絡んでいるとおもわれる。しかし、今の状態は大きくジャンプする前のかがんだ状態であると、筆者は考える。

●アマゾンに関する情報筋から得た情報は、都市部にFCを構築し、圧倒的な配達スピードを実現していこうとする米国アマゾンの戦略と、日本アマゾンの戦略はほぼ同じで、現在その準備がほぼ整ったといわれている。つまり、今後Prime Nowの拡大なのか、その他の即日配達サービスの開始なのかは定かではないが、虎視眈々とそのスタート時期を見計らっているとのことである。

東京23区・三多摩をターゲットにした倉庫の配置

●筆者が調べたところでは、アマゾンのFCセンターおよびプライム専用センターなどは下記の地図のあるように、現在10か所以上が存在している。

●Prime Nowのラインナップは基本日用雑貨と一部生鮮産品であるが、FCは八千代や川越のような家電やファッションなどの専門センターと違い、主要な取り扱い商品をそろえている。そのFCはもともとアマゾンの出発点である市川塩浜、その次には川崎に数年前に配置された。そして、重要なのがここから。2018年4月に八王子。2019年6月には川口にFCが配置されたことだ。

FCの配置から見えてくること(新サービスの準備)

●東京は、23区については中央3区(中央、千代田、港)あとは、城北、城南、城東、城西区分される。また三多摩と呼ばれるエリアはJR中央線沿線や私鉄沿線に人口が集中している。それを踏まえてアマゾンのFCの配置をもう一度見返してみる。そうすると、すべてが主要幹線道路および高速道路に隣接していることがよくわかる。そして各FCが東京のすべてのエリアを即日配送が可能になるように配置されているのである。

川崎FCは海沿いではなく多摩川沿いの内陸 人口の多い町田市などの市部や城南エリアなどにリーチしつつも、手元の川崎市や横浜市をカバーできる。

八王子FCは三多摩をカバーしつつも、城西の一部までリーチが可能。

市川塩浜FCは千葉であるが、隣接した市川市の出島で、湾岸道や国道357で、あっという間に城東エリアに到着できる。

そして2019年6月の川口FC。ここが大きなポイントである。

埼玉県の川口市、戸田市、和光市は非常に良い立地で、特に川口と戸田は首都高や環八、環七、明治通りへのアクセスがスムーズなため、23区のどこへ配達するにも便利な立地なのである。

アマゾンがそのような好立地に目をつけ、FCを設置したことからも、もうすぐそこに新たな即日配達が始まろうとしていると筆者は予想するのである。

 

●さて、物流担当者の皆様。このFCの配置を見て、アマゾンが次にどんな手を打ってくるのか、ぜひ想像してみてはかがでしょうか?自社の物流戦略を立てる上でも非常に参考になるはすです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA